なぜ類義語が効果的か?

そもそも、類義語を使うことは英単語を覚えるのに効果的なのでしょうか。
これも万人に当てはまることとは言いきれないのですが、多くの人にとって効果のあることだと私は思います。

ある単語を覚えようとしたときに、たくさんの類義語を見ると、まずそれぞれの類義語からのイメージが頭に浮かぶと思います。
まったく同じ意味をもった単語はないと思われるので、少しずつそれぞれの単語の意味は異なっているはずです。
それでも類義語というだけあって、似通った意味の部分ももちろんあります。
たくさんの類義語の中から、そういった共通した意味を想像してみましょう。
これによって、訳語を介さずに英語だけで目的の単語と向き合うことができます。
またこれにより、母国語を習得するときのような環境を作り出すことができます。

もちろん、訳語を使って覚えることにもメリットはあります。
例えば、日本語の知識を利用して短期間で英単語の意味を理解して、早く覚えられるというようなメリットがあります。
これは時として非常に有効な学習法であることは間違いありません。
しかしながら、これだけでは英単語を「深く」覚えることができないのです。
たしかに、早く覚えることはできる。
ただ、それと引き換えに早く忘れてしまうのです。
それに対して、長く覚えておくには本質的に「深く」単語を覚える必要があります。
それがまさに、母国語習得の方法にほかならないのです。

たしかに、英語を母国語のように習得しようとするととても時間がかかります。
しかし、本当にしっかりと記憶に定着させて長く覚えていたいと思うのなら、やはりこの方法がベストであると私は思います。

そこで、英単語を母国語のように習得する方法を利用しましょう。
この方法の中で最も有効と思われるのは画像を使った方法なのですが、その次に有効と思われるのがこの類義語です。
日本語で知らない言葉に出会ったとき、普通だったら辞書を引きますよね。
ただ、これを英語でやるとあまりうまくいきません。
この場合、ある英単語を覚えようとしたときに、その意味を英英辞書を引いて調べて、理解して覚えるということになります。
しかし、まずこの英英辞書がスラスラと読めればよいのですが、これが結構難しいんですよね。
それほど難しい単語は使っていないのですが、文法的にそこそこ難しい表現、言い回しであることが多く、日頃から英文に親しんでいないと挫折しやすいのではないかと思います。

それに対して類義語だったらどうでしょうか。
たしかに、知らない単語もあるかもしれませんが、知っている単語であればすぐさま意味を理解してイメージすることができるでしょう。
文法などを十分に理解している必要もありませんし、読解のスキルも必要ありません。
この類義語からのたくさんのイメージの共通した部分を想像すれば、おおよそ目的の単語のイメージになっていることでしょう。
こうすることで、英語で英語を理解していることになり、母国語のように習得できます。
日本語で知らない単語を理解するときも、日本語の類義語を調べることによって理解することもできますよね。
それと同じことを英語でやろうというわけなのです。

また、類義語同士も意味が似通っていることが多いので、目的の単語と類義語の結合だけでなく、類義語同士の結合も強固なものとなり、どれかの単語の意味を忘れてしまっても、その単語と他の単語が似ていることを覚えておけば連鎖的に意味を思い出せる可能性も増えます。
このように、類義語を使うことは、頭の中にある網目状に張り巡らされた単語のネットワークを強靭なものにできる方法でもあります。

また、類義語の中に含まれる知らない単語も、覚えようとしている目的の英単語に意味が似ているものとして、記憶のネットワークの中に少しでも刻んでおければ、次にその知らなかった単語を目的の単語として覚えるときに楽ができるというメリットもあります。
事前に予習をしておくと学習の定着度合いは跳ね上がりますよね。

このように、類義語を使うことは英単語を覚えるのに大いに役立つと言えるでしょう。
ぜひ一度試してみてください。